ネタバレ 宇宙戦艦ヤマト2202 第七章 新星篇 感想

ほんとは上映開始1週間後くらいに投稿したかったんですがなんだかんだで上映終了後だいぶ経ったいまごろの投稿になってしまいました。


全体的に思ったことを簡単にいうと「”さらば宇宙戦艦ヤマト”をリスペクトしたシーンを入れながら独自展開していったのに最後はやっぱり”さらば”とほぼ同じになっちゃったぞ…違った…なるほどその先があってこうなるのか」って感じですかね。あと「縁」という言葉がちょっとだけしつこかったかな。

ということで以下に感想らしきものをダラダラと。

ノイ・デウスーラ内の5人

”さらば”ではここでデスラーと古代の関係性が大きく変わるシーンでしたけど2202では古代の話と彼をかばった雪を見てミルの心境が変わる場面となりました。ミルがズォーダーのクローンで次期大帝だったとはびっくりですがそんな人(ではない?)を戦地に派遣するなんて。しかしミルは名もないガミラスの兵士に撃たれて死んでしまいました。(ミルの 血が赤かった。 2199・2202と敵側の血の色が統一されてないような気がするのでそのうち確認したい)

そのぶんデスラーと古代の関係は特になにもなくお互い見たことある人レベルのままのような気がします。デスラーはミルの言葉に従ったり反発したりで一貫してないように見えちゃうな~。

古代をかばった雪のヘルメットのシールドが細かく割れましたけどどこを撃たれたんだろうとか古代はじっと見てないで手当とかしたらいいのにとか思ったけどお話には直接関係ないですね(^o^)

もしミルが殺されることなく生きていたらガトランティスと地球はとりあえずでも和平が成立したんでしょうか。

デスラーとミルがお互いの艦の甲板上で話す場面は”新たなる旅たち”のオマージュですね。そのためか船外服を着ることなく船外にいます。デスラーには風が吹くという演出まで。見えないシールドが全体に張ってあるから船外にいても大丈夫ということなんでしょう。

コアシップがエンジン不良とかで動かないからゲルバデス級に乗せているのかと思ったら次のシーンでは普通に単独で航行してるじゃないですか。”新たなる旅立ち”オマージュのサービスということでしょうか。こういうのが見られると嬉しくなります。

地球に侵攻したガトランティス艦艇

白色彗星から出てくる航宙母艦バルゼーのどアップ。奥の方の細かいところまでしっかりモデリングしてあってすごいです。地球の前にはガミラス艦がたくさんあったけど特に戦闘シーンとかもなく地球の大気圏内に侵入しましたね。
ガトランティス艦艇が地球の都市直上を行く画はかっこいいですね~。

第2話でアンドロメダが発進したあのカタパルトには砲が内蔵されていたとは。しかもよく見ると反射衛星砲みたいですね。ここでは反射衛星は使っていなかったようですけど。

あと芹沢が無尽蔵だと言っていた地球艦隊は特に描写もなくいつの間にか全滅してました。ガトランティスの艦艇の方がはるかに上回る数だったとか白色彗星がワープしてその重力圏(?)に一気に巻き込まれたとかそんな感じですかね?

一般地球市民が「まだヤマトがある」というシーンは2202ではやりそうもないなと思っていたけどありました。さすがに全く同じではありませんでしたが。そして英雄の丘の沖田艦長の像には力強い目がはっきりと見えるのが印象的です。

トランジット波動砲

地球をバックにワープアウトするヤマトの表現はは水面から静かに出現してくる感じがとても美しいです。でもいつものワープアウトとなんで違うのかな~。
予告編で次元潜行艦が出てくるのでその技術をヤマトが搭載したのかと思ったらそういうわけではなかった。
さらにノイ・デウスーラのワープアウトの表現もまたどれとも違いますね。このへんは整合性とかじゃなくていかにその場面にあった表現にするかということのほうを優先ということかな。

放たれるトランジット波動砲。これまで地球艦隊がバカスカ波動砲を撃っても都市帝国には無効だったたけどその上を行くのがトランジット波動砲が白色ガス体を吹き飛ばし下部の爪(プラネットキャッチャー)を破壊しました。そこまで行きますか!そしてこのときの曲はちゃんとあの曲でした。
あと カラクルム級が 爆風(?)で破壊される描写が細かいです。メカ主体のアニメでもこういう描写はなかなかできないですよね。2199でヤマトが初めて波動砲を撃ったときに破壊されるガミラス艦を連想しました。

ガミラス艦隊が地球を防衛

続いてワープアウトしてくるガミラス艦隊!バレル大使から通信が入りますが「ゼルグートから入電」て言ってますな。ほんとはゼルグート級〇〇だと思います、細かいことですが。

つづいて次元潜行艦4隻でヤマトを潜行させて都市帝国の中枢付近まで一気に行くという作戦。このとき次元潜行するときヤマトの波動砲口に亀裂がたくさん入っているのがよく見えます。トランジット波動砲の威力の凄まじさともう波動砲は使えないというということがわかります。

突撃してきたガトランティスの艦がガミラスのガイペロン級に突き刺さったり、ガミラス版空母型アンドロメダの上部をかすめてガリガリやったりとこれまでになかったシーンもあってすごいことになってますね。

ガルントで特殊削岩弾を都市帝国にぶつけるのはなるほどと思いました。次元潜行艦といい2202では出番がなさそうなものが出てくると嬉しくなるしさすがこういう使い方を思いつくなと感心します。

浮上するヤマトを敬礼で見送る次元潜行艦クルー。そこにはやっぱりヤーブこと藪がいました。ちゃんとヤマト2199式の敬礼ですね。

ガトランティス奥深くを進むヤマト

ヤマトは浮上したカラクルム級が大量にある空間に浮上。そのカラクルム級を数隻操ったり門を開いたりするのは自動航法装置に入った桂木透子。ここで2199での設定であるという自動航法装置が出てくるとは。さすがよく考えてあるな~。

徳川機関長は”さらば”リスペクトな形で倒れてしまいました。佐渡先生をかばってアナライザーが破壊されてしまいました。”さらば宇宙戦艦ヤマト”だと佐渡先生とアナライザーは同時にやられてしまい、”ヤマト2”ではどちらも無事でしたね。ただあとのシーンでアナライザーは頭部だけ回収されたようなので復活できそうです。ところでこのとき突き刺さった青いのはなんだろう?と思ったけどまあイーターですよね。

艦内各所も被害甚大。艦橋塔に大量に着弾してたけど対空砲火でなんとか凌いだということでしょうか。艦長席頭上から破片が落ちてくるくらいですみました。いやいやそれで土方艦長もやられてしまいました。倒れ込む土方さんを抱える古代は”さらば”っぽい感じがあります。そして「あれを見ろ」「次の艦長は君だ」「土方前艦長の命令を決行する!」という流れも。
その後のシーンで艦長室の窓がなくなっているのが確認できるのでなにがどうなったのか想像できます。

ラーゼラーが乗るイーターへの攻撃を引き受ける加藤が家族への思いを語るのは俗にフラグを立てるという感じに。ゲート内で敵機がきて「ここは任せろ」というキーマンもフラグを立てた感じですが回収はこの場面ではありませんでした。

ヤマトの白い艦内服を着ている桂木透子はやはり完結編の森雪をイメージしますね。サーベラーと子供を殺され絶望したことで滅びの方舟を起動させたはずのズォーダーがもっともオリジナルサーベラーに近い状態の桂木透子は大量のニードルスレイブの突撃によって死んでしまいました。彼女もズォーダーにとっては何度でも作れるクローンでしかなかったということでしょうか。

ガトランティス玉座の間

「ここまではよくやったと褒めてやる。だが次はどうする?」
ズォーダーと古代との直接会話。古代との会話より暴発したニードルスレイブから自分をかばったガイレーンを見て自らゴレムを破壊するズォーダー。このときのサーベラーの表情がすごい。響き渡るサーベラーの悲鳴で”永遠に”のデザリアム出現のシーンを連想しました。
ところでゴレムとは大帝が立っていたあの大きな物体のことでいいのかな。

ゴレムが破壊されるとき人造細胞は死滅するのでガトランティス人はみな倒れます。ガトランティス艦艇が制御を失って動きが変になる様子がなんか好き。
ズォーダーは近くの倒れたゲーニッツを見ます。ん?ズォーダーはなぜか倒れない。ということは?…ズォーダーは人間ということか。いつしか人間になっていたのか、実はもともと人間だったのか。

滅びの方舟のコア?がなにやら活動を始めます。前にアンドロメダが波動砲を打ち込んだコアとは違うもの?同じもの?
このとき都市帝国は翼を広げた鳥をシンボル化したような形なのが印象的です。ところでガトランティス、都市帝国、滅びの方舟の使い分けがちょっと混乱してきました。でもそれでいいのでしょう。

斉藤の機動甲冑を乗せて波動掘削弾を打ち込みにコアに向かうキーマンの機体。テレザート上陸時に使ったものとは形状が違うタイプですね。乱射しながら斉藤のセリフ「慌てず急いで正確にな!」そして弾切れになってもトリガーを引き続ける様子から彼の死がわかります。一見シチュエーションがずいぶん違うけれど乱射しながら立ったままの死は”さらば”オマージュになってますね。

山本玲のことを思うキーマン。キーマンと玲がそんな関係になっていく様子はこれまでほのめかす程度にしかなかったのでここはちょっと唐突な感じがしました。
「隊長、ありがとう」と言って押したスイッチは”さらば”と同じ形状ですね。ガミラス人がガミラスの機体に乗っているのに地球のデザイン?と一瞬思ってしまいましたがヤマト特製の波動掘削弾の起動スイッチなのでこれでいいんでした。

破壊したと思ったコアは再起動したようです。このへんが倒しても倒しても次が出てくるという絶望感が”さらば”の雰囲気と似ています。2202の都市帝国には”さらば”の超巨大戦艦の艦首部のようなものがありましたが、ここのタイミングで登場したほうが”さらば”に近い感じになって良かったんじゃないかなとちょっと思いました。まあ滅びの方舟が起動状態にあるかを示す部分にもなっているので難しいかとは思いますが。

月を破壊するほどの力を見せておきながら土星のエネルギーの吸収を必要とする滅びの方舟。土星に向かったというだけで真田さんはその理由を理解しました。ここはなにか調べた様子は描写されなかったということで。

さらば宇宙戦艦ヤマト

総員退艦を指示する古代。”さらば”では収容人数の少ない救命艇で退艦していきましたが2202では生き残っている乗組員は多いようで金剛型数隻での退艦となりました。そして第一艦橋に古代が残っていることに気づく島。これは”完結編”の感じですね。あと藤堂早紀が古代の通信を受けている場所は”復活編”の雰囲気があります。

沖田の像に向かっていう古代のセリフ「お叱りはそちらで受けます」この一言は”さらば”と2202との意味のある大きな違いとなりますね。
ヤマトを滅びの方舟にぶつけるというのは”さらば”と同じ感じですが完全に倒せるわけではなく時間稼ぎであるというのはスケール感からいってそうなるよなと思います。

波動エンジンの暴走のような状態によって金色(?)に輝くヤマト。それによって高次元生命体のテレサが呼び込んだようです。そして第一艦橋には死んでいった者たちの姿も。伊東など2199で死んだ者たちもいますね。さらには古代守も。
このシーンは2202の雰囲気だとやらないのではないかとずっと思っていました。ヤマト自体が金色になっていることもあって自然に感じます。

ヤマトは滅びの方舟に向かって消えていきそして画面が白くなるほどの閃光と爆発音が響きます。
退艦指示からここまでほとんど”さらば”と同じになりました。ん?2202では違う結末にしないの?これがあらゆる予想を覆したラストなの?と思いましたが…

ガトランティス戦役から半年

なんとまだ続きがありました。 ヤマトが去ったあとの最初のカットは似た形状である銀河というつながりですね。
その銀河はマグネトロンプローブを使って一部砕けた月の破片を月に戻しているようです。片付けが必要なのかとちょっと思いましたがあれだけの破片があると地球から宇宙へ行くのに邪魔になりますね。アナライザーも黒から白へ。わかりやすいです。
そして地球上でも撃墜したガトランティス艦艇など後片付けが行われていてなるほどという感じです。

そんな中、時間断層内の海からヤマトが現れました。なにか奇跡が起きてヤマトが帰ってきたようです。時間断層はこういう場所としても使えるとは。そしてこのときの効果音は完結編でヤマトが沈み行くときのものですね。完結編では沈むときでしたが2202では戻ってくるときというのもなんか象徴的です。(この効果音は2199でも冥王星の海に沈むふりをするときに使われましたね)

ヤマト艦内には古代と雪の姿はなく山本玲がいました。なんで山本玲だけなんだろう。玲はコスモタイガーIに乗っているときに巻き込まれて死んだ感じになっていて最後に滅びの方舟に向かっていくときのヤマトには乗っていなかったはずだし。

戦没したヤマト乗組員の名前が彫られた碑にはキーマンの名前も。上下に漢字があったのでガミラス人として別枠ではなく普通にいち乗組員としての扱いということでしょうか。

真田さんの説明で滅びの方舟が消滅したとき地球に影響がなかったという説明でそういえばそうだったと思いました。もともとヤマトが滅びの方舟に突っ込んでいったのは時間稼ぎレベルのはずだったのに消滅していますし。
あと時間断層での戦艦の建造はつづけていたんですね。半年もあればかなりの数が揃ったはず。

高次元宇宙

さて古代と雪は謎の空間にいました。ここで雪は記憶喪失前後の記憶がひとつになったようです。
その時間断層は謎空間(高次元の宇宙)の古代と雪を連れ帰るためにヤマトを送り込むときに潰れてしまうと。便利すぎる場所は2202のストーリー内のみに抑えとくためでもありますね。
二人を連れ帰るために時間断層を潰すかどうかを決めるのが国民投票とはちょっとびっくり。時間断層はもう極秘ではなくってるんですね。

高次元宇宙でテレサが「なんでもあり得た」「なんでもありうる」と話しているときヤマトのいくつかの場面が飛んでいきます。劇場で見ているときは早くてよく認識できなかったですが2202ではないのは感じました。で、BDでコマ送りで見てみると…。2202スタッフはほんとに「何でもあり」を肯定しているんだなと思えます。

高次元宇宙から地球に帰ることを拒んでいる古代に雪が「古代進は地球を救ったぞー」と。まさか第一章のセリフがリピートされるとは。
その古代と雪を迎えに来たヤマト。時間断層から現れたときもそうでしたが水中から飛び出してくるヤマトはかっこいいですね~。

エンディング

真田さんの演説中にデスラーのシーンが。ゲルバデス級の飛行甲板に乗っているデウスーラコアシップ再び。ただゲルバデス級が青いですし、サイズ感も変わっています。デスラーの乗艦として新たに用意されたものでしょうか。
ユリーシャやガミラスの高官のいる場所にデスラーがやってきました。ガミラスの総統として復帰したということでしょうか。

エンディング曲は沢田研二の「ヤマトより愛をこめて」
第一章で使われたとき最終章ではどんな曲になるのかと思ってました。やはりこの曲はいいですね。

滝のような光の粒の中から現れるヤマト。高次元宇宙に行ったときと戻ったとき、具体的にどんな装置でどんなことをしてどんなふうに移動したんだろうとか思いましたがまあそんなことはどうでもいいですね。
芹沢が泣いたのは意外でした。そしてそれをちらりとみる藤堂の無表情も。

地球に帰っていくヤマト。最後は第一章始まりの時のようにズォーダーの声でのナレーションで締め。
そして画面真ん中に堂々と「完」 この一文字で監督たちの自信を持って作品を完成させたという気持ちを感じました。

2202のその後を感じるシーン

ヤマトが修理されるシーンもありました。これで最終決戦仕様ではなくいつもの見慣れたヤマトの形状に戻りました。
古代が雪の手を取りそうでやはりやめたときそれを掴む赤ん坊の手。未来の古代と雪の子供でしょうか。
さらにヤマトの乗員が多く生き残っていること、デスラーがガミラスの総統に完全復帰したこと、加藤三郎に息子がいること。
以上のことから「完」という文字は出ましたがまだ続きがあることを感じました。続きがあるという雰囲気があれば実際に続きを作る必要はないと思います。

が、最終上映終了後に続編制作決定が報じられました。これについてはまた別に書けたらと思います。


宇宙戦艦ヤマト2202全体としてストーリーや設定に思うところもありますが、あの”さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち”を今の映像で今のお話としてよくここまでと感激です。

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